M-Times 2023.9

再開!びわ湖大花火大会

 監査部の原です。最近暑い日が続いており、バイクで走っている時に見かける温度計では40℃近い表示になっており、蒸風呂に入っているような感覚です。そのためすっかり参ってしまい、「早く夏が終わってくれ~」と嘆いています。数年前までは夏が近づくにつれテンションが上がっていたのが、今では真逆の感想に…。ふといつ頃からこうなったのか考えてみるとコロナ禍以降でした。それまでは夏ならではの楽しみが多く、暑さも気になりませんでしたが、様々な夏のイベントが無くなったことで暑さの不快感のみが残ってしまったようです。

 そこで「今年こそ夏を満喫するぞ!」と意気込んでいたところ、あるお客さんより「8月8日、あなたの地元のびわ湖大花火大会が4年ぶりに開催されますね」と話題を振られました。その通り、例によってコロナの為の中止が続いており、すっかり忘れていたところでしたが、これ幸いと8日は花火見物へびわ湖畔にある実家へ赴きました。

 このびわ湖大花火大会は、私の実家のマンションが建つ前の1984年から始まりました。そのため花火が見えることがマンションの“売り”の一つでした。確かに私が子供の頃は自宅から花火が見えていたのですが、16年程前に琵琶湖沿いに更に大きなマンションが建設されたことで、花火の景観が大幅に遮られることに。当時は、毎年友達を招いて自宅から見るのを楽しみにしていたため、「そんなところに建てるなよ!」と子供の私は怒り心頭です。

 ところが捨てる神あれば拾う神あり、家の近くにある「滋賀県立柳が崎ヨットハーバー」が湖の目の前で、遮るものがないため、ここでは変わらず満開の花火が見えたのです。周りにはスーパー等もあり、友達と席を確保した後に各々好きなお菓子やジュースを買い込むにも、手軽にトイレに行くのにも便利なので、この年以降は私たちが花火大会を満喫するお気に入りの場所になりました。さらにこれだけ条件が良いにも拘わらず、他の所に比べると混雑していないため、無料で見るなら膳所から浜大津一帯に行くより、まさにこちらは「穴場」でした。今回調べていて驚いたのが、この「柳が崎ヨットハーバー」は、所長の松田が長年、所属していた琵琶湖ヨット倶楽部の活動拠点だったことです。意外なところで松田事務所とのつながりが見つかりました。

びわ湖大花火大会

 今年はコロナ明けの久しぶりの大会であり、人の混み具合の予想が出来ないので、ヨットハーバーに行くか実家で見るか迷ったのですが、こちらも数年振りに自宅から見ることにしました。

 左の写真のようにマンションに邪魔されて右側の下部分が見えないものの、思いのほか全体の3分の2程は見えたので、驚きました。確か以前は3か所からの打ち上げだったため左のマンションに隠れる部分が多く、見応えの無い記憶が残っていただけに嬉しかったです。思惑通り、夏の楽しさを実感でき、夏嫌いの気持ちが解消された気がします。ちなみに今年ヨットハーバーに行った友達に聞いたところ、ゆったり座りながら見えたとのことで「来年は一緒に行こう」と話しています。

 私としてはなんやかんやで楽しめた花火大会でしたが、今回から変更された主催者側の取組が波紋を呼んでいます。それは有料観覧席を前回より1万席程多い5万席にしたのに併せて有料席と道路の間に高さ4メートル、長さ2キロに及ぶ目隠しフェンスが設置されたことです。これにより今までは見えていた地域の地元住民が花火を楽しむことが出来なくなりました。この記事を見た時はなぜこんなことを?と疑問を覚え、色々他に目を通してみると、別の記事では3億円の経費が掛かっており、回収の8割が有料席チケットの売上によるものとの話もあり、また近年では主要花火大会の7割が「有料化」され中には全席指定の有料化に踏み切ったケースもあると。またフェンスに関しては群衆事故を防ぐための安全対策が目的だそうです。そう聞くと「一概に否定できないなぁ」と思いはします。

 ですがこのままだと地元住民からの反発は必至かと思われます。今までも地元自治体が花火大会後のゴミ問題や交通渋滞等様々な問題の解消を訴えていました。ですが自分たちも楽しんでいることもあり反対運動のような事態にまでは発展してなかったようです。一抹の不安は感じるものの、やっと再開された地元の一大イベントですので、是非とも存続して頂きたいものです。