M-Times 2024.9

涼を求めて

 監査部の原です。お盆ということで友達と1泊2日の大阪旅行に行ってきました。まず1日目はユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に行きました。「この時期は人混みがヤバいのでは⁉」と思いもしたのですが、ネットで調べていると、お盆は年間パスポートが利用できない期間で、かつ通常時よりも値段が上がることもあり、意外と空いて狙い時とのことでした。確かに入場券だけで10,900円は高すぎな気がします。調べると通常だと大人1人9,400円みたいです。
 結果は確かに普段の夏休みよりはましではあるものの…という程度でした。そのため、楽しめはしたのですが、人混みと猛暑にやられてしまい、2日目に予定していた大阪食べ歩きツアーをする気力が無くなりました。 
 そこで、室内を中心にした大阪観光に変更したのですが、他の人も考えることは皆同じなのか、室内で楽しめそうな所は何処も彼処も人だかりで、涼を求めて滋賀県への早期撤退を決めました。

 JRで大阪駅から終点である滋賀の草津駅まで電車で戻ったのですが、殆ど満員だった電車を見て「流石にお盆は滋賀も混んでいるのか?」と話していました。ですが、京都駅に着いた途端、乗車客の9割以上が降りてしまい、「おい京都駅が終点ちゃうぞ」と言いたくなりました。これを見てすかさず私たちは、「滋賀の魅力再発見会議」なるものを開催してしまいました。全員滋賀県が地元のため勿論様々な案が出ましたが、涼しくてかつ、空いている場所となると中々思い浮かばず苦労しました。今回は採用しなかったものの良さげな場所がいくつかあったので訪れた際はまた紹介したいと思います。結局今回の旅行では、最終的に野洲川の上流に行くことになりました。

 ここは甲賀市(こうがではなくこうかと読みます)にある県下最大の河川で、ダムが建設されています。ダム周辺で一旦車から降り、自然豊かな周りを歩いているだけでも心が穏やかになります。探索していると「野洲川ダム紹介」と書かれた看板がありました。それによるとここは昭和26年に完成し、その後平成22年に改修工事をまで完了したとのこと。その中に、作成された目的も記載されており「かんがい」となっていました。
 ここで「あれっ滋賀県は昔から近江盆地と言われるほど農業に適した土地のはずで、灌漑が必要なイメージ無いな?」と思いネットで調べてみました。するとここを含め琵琶湖に流入する多くの河川は天井川(砂礫の推積により川底が周辺の平面地よりも高くなった川のこと)であり、しばしば水不足や水害の被害が頻発していました。これらを解消する目的で建設されたとのことでした。
 天井川になった原因として、1000年以上前から平城京の造園や寺社仏閣県立のために森林が伐採され、江戸時代には全国的に知られる禿山となっていたとのことです。明治以降の治山工事により植林されたことで、現在では森林が回復しています。これらを踏まえた上で再度辺りを見回してみると、昔このような酷い状況があったとは分からない程自然豊かで、この景色も当たり前ではなかったのかと感慨深くなります。

 思いの他野洲川ダムを楽しんだ所で、本来の目的である涼を求めて上流に移動しました。水が透き通っており木々が近くにあるため日陰になっているところも多く、静かで水浴びしながらボーとするには最高の場所となっています。昨日の暑さや人混みでの疲れが綺麗さっぱり洗い流されたような感覚に浸れました。これには「やはり根っからの都会民にはなれないのか?」と笑いあっていました。
 今回は急に予定変更したため出来なかったのですが、この野洲川辺りは時期によっては釣りを楽しめる場所としても有名みたいなので、今度来るときにはのんびり釣りでもしたいものです。ここらの魚は土山漁業が管理しているみたいで、遊漁券を購入しないで釣りをしていると密漁として捕まるので、ご注意を。
 ちなみにですが、密漁禁止の看板を見て魚どれくらいいるのか期待して上流の辺りで水浴びしていた際には食べられそうな魚どころか小さい魚さえ一匹も見なかったので、本当にいるのか?と疑ってはいます(笑)。
 ドタバタな1泊2日の旅行でしたが、地元で今まで注目していなかった場所で楽しめたりと新たな発見があり良き旅行となりました。皆様も涼を求めて一度滋賀に訪れてみてもらえれば幸いです。